2018年04月10日
アキレス腱炎と鍼灸治療
1.アキレス腱炎とは
アキレス腱は、ふくらはぎにある腓腹筋・ヒラメ筋とかかとの骨とを結ぶ非常に太い腱です。
アキレス腱には柔軟性はほとんど無く、ふくらはぎの筋肉の収縮を足のかかとに伝え、足関節の底屈(つま先を下げる)運動を行う役割をしています。
アキレス腱自体の障害をアキレス腱炎と呼び、アキレス腱を覆い腱の滑りをよくして、腱への栄養を供給する組織であるパラテノンの障害をアキレス腱周囲炎と呼びます。
両者は同時に損傷することが多く、どちらの損傷か明確に区別しにくいことやまた原因・治療法なども同一であることから、特に区別せず同じ扱いで述べられることもあります。
陸上競技を中心とした走る競技やバレーボール・バスケットボールなどの跳躍競技に多く見られるスポーツ障害です。
2.症状
アキレス腱に腫脹が診られます。
痛くない方のアキレス腱と比べて腱の太さが太くなり、ひどいと熱感や発赤が診られます。
初期の段階では走れないことはありませんが、運動終了時や朝の起きがけ時に痛みが現れます。
ひどくなると安静時にも痛みを感じます。
足関節の背屈(つま先を上げる)時に痛みが増強します。
3.原因
ランニングや跳躍時、ふくらはぎの筋肉が収縮するとアキレス腱にテンションがかかり、かかとの骨を引き上げます。
そのアキレス腱にかかる負荷の蓄積によりアキレス腱に微細な傷・断裂が発生し、炎症を起こすことによってアキレス腱炎・アキレス腱周囲炎が発症します。
オーバーユース(使い過ぎ)によるアキレス腱への疲労蓄積が主な原因です。
単回の強い負荷により、アキレス腱がその力に耐えきれずに損傷する場合は、アキレス腱断裂を発症する場合があります。
4.西洋医学に基づく治療方法
消炎鎮痛・筋肉や腱の緊張緩和・痛みの軽減・血流の改善などを目的に、低周波治療・アイシング(冷却)・テーピング・装具療法(足底板)・温熱療法・筋力増強訓練・ストレッチング・マッサージなどを行います。
5.鍼灸治療
アキレス腱炎に対する鍼灸治療は、腱周囲の圧痛部位を中心に行うと共に下腿三頭筋(ふくらはぎ)の筋緊張を緩める治療を行います。
整形外科医は局所の炎症などの病変のみを見ますが、障害に至る過程として、筋への過剰な負荷があり、これらの筋の異常な緊張が認められます。軽症例では、この処置だけでも軽快します。
後は、個々の障害に対する局所治療法を行います。
また、アキレス腱炎の発症原因が筋力低下、筋・腱の柔軟性低下ですので、筋力アップや柔軟性の向上を図ることによってアキレス腱炎の予防は可能です。
発症した場合、我慢してスポーツを続けると慢性化してしまうので症状が軽いうちに治療する必要があります。
(文責:吉田)
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Posted by 清野充典 at 10:05│Comments(0)
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