2017年11月27日
胆石症と鍼灸治療
腎結石や尿管結石とともに、胆のうにできた結石を「胆石」といいます。
今回は、胆石症についてお話いたします。
肝臓で作られた胆汁は、胆管を経て胆のうに集まります。
同時にここで水分をしぼりとられて半分以下に濃縮され貯えられます。
食後、食べ物が十二指腸へ流れてくると、十二指腸の壁が刺激され、ホルモンが分泌されます。
そのホルモンの合図によって胆のうがギュッと収縮して胆汁が十二指腸へ送り出されます。
胆汁は、脂肪などの吸収に必要な消化液の働きがあります。
もう一つ、胆汁には、肝臓で解毒した有害物質も含まれることから排泄の働きもしています。
上記のように、胆汁の排出がスムーズに行われていればいいのですが、中には、胆汁中のビリルビンやコレステロールなどが結晶化して固まってしまう体質の人がいます。
戦後から食事や生活習慣の欧米化にともない、「コレステロール胆石」の増加が見られます。
70歳以上の5人に1人は胆石を持っているとされています。
胆石症の特徴は、40から50代の肥満体型の女性に多く、胆のうがある右の肋骨の下やみぞおちあたりの不快感、右背部へ痛みが出ます。
胆石の痛みは、さしこむような激痛です。
胆石は、胆嚢内にあるうちは痛みませんが、移動して胆管を塞ぐことで痛みます。
現代医学的治療は、胆石のある場所と胆石の大きさ・胆のう収縮が良好かで選択します。
〈胆のう結石〉
①腹腔鏡下胆のう摘出術
②コレステロール結石で直径1㎝以下、胆のう収縮良好の場合は、経口的胆石溶解療法
③コレステロール結石で胆石経2㎝以下、3個以内、胆のう収縮良好の場合は、体外衝撃波胆石破砕術
④開腹による胆のう摘出術
〈総胆管結石〉
①内視鏡的乳頭括約筋切開術または、内視鏡的乳頭バルーン拡張術
②開腹による胆のう摘出術+総胆管切開+Tチューブドレナージ
〈肝内結石〉
①肝部分切除
②経皮経肝胆道鏡下切石術
胆石症の主な原因は、全身の新陳代謝・胆のう、胆管の炎症、胆汁のうっ滞が関係しています。
鍼灸治療では、内臓の働きを活発にし、血液循環をよく保つことができます。
炎症とは、局所の循環が過剰になることです。
反対に、うっ滞は滞ることです。
丁度良いバランスを保つための運動には、ヨガなども有効です。
予防をしていけるよう鍼灸治療やヨガをとりいれていただけたら幸いです。
(文責:吉田)
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Posted by 清野充典 at 18:01│Comments(0)
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