2018年03月23日
橈骨神経麻痺と鍼灸治療
1.橈骨神経とは
橈骨神経(とうこつ神経)は腕に走る大きな神経の一つで主に手首を伸ばしたり、指を伸ばしたりする動きを支配している神経です。
腕に走る大きな神経は他に、正中(せいちゅう)神経、尺骨(しゃっこつ)神経がありますが、
橈骨神経は非常に障害を受けやすく、腕の神経麻痺の中でも高頻度に発症します。
2.症状
橈骨神経麻痺の特徴的な症状は、手首に力が入らなくなり、手首が下にたれてしまう下垂手という症状です。
その他、手を握れなくなる、開けなくなる症状も発症します。
手首の筋力が弱くなるため、軽いものでも持ち上げにくくなります。
また、親指と人差し指の水かき部分のしびれ、腕のだるさや痛み、腕や手のひらのむくみなどがよく見られる症状です。
3.好発部位と原因
橈骨神経が障害されやすい場所は2ヶ所あります。
1つ目は脇の下での圧迫、
2つ目は上腕の外側(力こぶの反対側)での圧迫です。
特に二の腕の部分は上腕骨に接するように橈骨神経が走行すること、筋肉が薄い部分であるために、上腕骨に橈骨神経が圧迫されやすいという状況にあり、一番障害を受けやすい場所です。
原因は、大きく分けて2つあります。
1つ目は、腕の神経を強く圧迫したことで起こる末梢性の神経麻痺です。
腕枕をずっとしていた、お風呂で脇を圧迫するように寝てしまったなど腕や脇を圧迫するようなことをした場合です。
飲酒をしたあとに発症することも多く、よく覚えていないというケースもあります。
2つ目は、骨折などによる外傷性の橈骨神経麻痺で、骨折した骨が神経を傷つけたり、事故で神経を傷つけたりなどのケースです。
またギブス固定の圧迫で起こる場合もあります。
4.西洋医学に基づく治療方法
原因が明らかでないものや回復の可能性のあるものは保存的治療をします。
外傷性の神経麻痺や3ヶ月ほど様子を見て全く回復しないものや麻痺が進行するものは手術療法を行う場合があります。
保存的療法とは、局所の安静、薬剤内服(ビタミン剤・鎮痛剤)、装具、運動療法などです。
5.鍼灸治療
圧迫されている橈骨神経の走行に沿って、刺鍼・鍼通電治療を行うことで神経の再生が促進されます。
それと同時に、手首や腕を動かすリハビリを続けます。
また、動かない手を無理やり動かそうとすると力をとても使いますので、腕の筋疲労、肩や首のこり感なども出現します。
局所の治療と同時に、これら筋疲労も治療していくことが大切です。
橈骨神経麻痺は適切な治療をすれば治る疾患です。
軽い症状の場合は自然に治ることもありますが、麻痺の治療は、一日も早く治療を始めることが重要です。
(文責:吉田)
※「清野充典の「東洋医学ひとりごと」」保健・医療・福祉に関する最新情報や東洋医学関連のひとりごとを掲載しております
※鍼灸医学・医療等に関して詳しくお知りになりたい方は、「清野鍼灸整骨院」をご覧いただきたく思います。
【東洋医学専門医療機関】
「清野鍼灸整骨院 府中センター」
場 所:東京都府中市八幡町3-3-5 大久保ビル1階
院 長:吉田卓司 鍼灸学士
鍼灸師・柔道整復師
外来専門診療室
鍼灸総合治療室・整骨接骨治療室
(平成3年(1991年)4月6日開設)
鍼灸内科 骨折
鍼灸外科 脱臼
鍼灸整形外科 捻挫
鍼灸婦人科 打撲
鍼灸小児科 挫傷
鍼灸心療内科 スポーツ外傷
鍼灸精神科
鍼灸神経科
鍼灸老年科
鍼灸難病科
受付時間:平日 午前9:00~12:00
午後3:00~7:00
木曜 午後1:30~5:30
土曜 午前9:00~12:00
午後3:00~6:00
休 日:木曜午前・日曜・祝日
電話番号:042-335-3770
Posted by 清野充典 at 16:18│Comments(0)
│鍼灸治療について
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。