2018年03月12日
上腕骨外側上顆炎に有効な鍼灸治療
1.上腕骨外側上顆炎とは
タオルを絞ったり、物を持ち上げたときに肘が痛むという人はいらっしゃいませんか?
そのような人のほとんどがバケツなどを持ち上げるときに、手のひらを下に向けて持ち上げると痛いと思います。
反対に手のひらを上に向けて持ち上げるとあまり痛くないはずです。
タオルを絞るときも反対の方向に絞るとそう痛くありません。
これは「上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)」という肘の障害で特徴的な症状です。
肘の障害では非常に多く、ケガなどを除けば肘の痛みを訴える患者さんの大部分が外側上顆炎と言ってもいいくらいです。
テニスプレーヤーに多いということで別名「テニス肘」とも言いますが、実際にはテニスで痛めたという人はそう多くはありません。
どのような状態かと言いますと、手首を甲の方に反らせる筋肉が、上腕骨の外側に付いているのですが、
この部分が炎症を起こしているのです。原因の多くは使いすぎにあるのですが、利き腕でない方に起こることも少なくなく、
また、30~50歳代の人に多いことから、筋力のアンバランスや年齢的な変化も要因と考えられています。
2.症状
上腕骨外側上顆炎の症状として、前腕を捻ると痛い、手や指の関節を伸ばすと痛い、ドアノブの開閉・握手・雑巾をしぼる時に痛みを感じる、ポットを持ち上げると痛い等が挙げられます。
日常生活に支障をきたす疾患です。
初期は、安静時に痛みを感じることは多くありません。
しかし、このような症状が出ているにも関わらず、スポーツを続けたり、肘に負担を掛けることを行うと、安静にしている時にさえ、症状が強くなり、痛みが出るようになります。
症状が強くなると、お皿を持ち上げたり、指を少しそらすだけでも肘が痛みます。
3.原因
「重い荷物を持ったり、運んだりした」「スポーツを習い始めた」など明らかなきっかけがあって発症することもあれば、これまで通りの生活をしていて、特に思いあたるきっかけがないのに発症することもあります。
そういったケースでは日々の家事などで手を使ううちに徐々に肘に負担がかかり、発症すると考えられています。
4.西洋医学に基づく治療方法
西洋医学的な治療では、①安静②痛み止めのシップや塗り薬・飲み薬③極超短波・超音波・レーザー等の物理療法④バンド装具⑤局所注射⑥手術療法等です。
5.鍼灸治療
消炎・鎮痛を目的に、痛んでいる筋やその筋を流れる経絡上の反応点に鍼灸治療を施し、必要に応じてテーピングや円皮針(無痛の置き針)も使うこともあります。
しかし、その場合でも肘の局所だけの治療では、回復が遅くなります。
回復を妨げているその他の要素も取り除いていく必要があります。
急性や程度の軽い場合には早く回復しますが、仕事で毎日繰り返し酷使して慢性化しているような場合だと、長期化する傾向にあります。
安静が第一ですが、なるべく早期に鍼灸治療を開始することも回復へのポイントです。
(文責:吉田)
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